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2025.07.27
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水辺の旅がもたらす肌で感じる豊かな発見・今と昔が交差する水辺ライン
Sense of Touch
TOKYO MIZUBE LINE
東京水辺ライン
水辺の旅がもたらす肌で感じる豊かな発見・今と昔が交差する水辺ライン
水の流れと共に河川から海洋へ繋がり、その豊かな恵みと共に人々が暮らした街、江戸-そこから発展し、今では世界が注目し、旅行者が押し寄せる大都市、東京。メズム東京のコンセプトである“TOKYO WAVES”との親和性、そして水辺ラインの発着所の1つである、竹芝に位置するメズム東京との深い繋がりをめぐり、今回取材をさせていただくに至った。
水辺の旅がもたらす肌で感じる豊かな発見・今と昔が交差する水辺ライン
水の流れと共に河川から海洋へ繋がり、その豊かな恵みと共に人々が暮らした街、江戸-そこから発展し、今では世界が注目し、旅行者が押し寄せる大都市、東京。メズム東京のコンセプトである“TOKYO WAVES”との親和性、そして水辺ラインの発着所の1つである、竹芝に位置するメズム東京との深い繋がりをめぐり、今回取材をさせていただくに至った。

東京水辺ライン全景 ウォーターズ竹芝発着所より
水と人をつなぐ東京水辺ライン
東京水辺ラインは、公益財団法人 東京都公園協会が運営する『水上バス』だ。遊覧船としての面も持ち、また水路の移動手段として存在する。古来、隅田川沿いに船が行き交い、人々の生活になくてはならないものであったこの水辺の成り立ちを感じることができる。船旅の各発着所は、隅田川上流から東京湾にかけて、浅草二天門、墨田区役所前、両国リバーセンター、越中島、聖路加ガーデン前、ウォーターズ竹芝、お台場海浜公園、葛西臨海公園となる。急行便や各駅便、周遊コースなど、多様な水辺の旅がある。今回は『両国リバーセンター』発着所から乗船した。浅草二天門に上流し、そこから東京湾に向かうコースである。
肌で感じる水辺の旅 - TOUCH -
乗船すると、まず感じるのが水面の動きと、エンジンのモーター音や振動の心地よさだ。不思議と落ち着き、身体になじむ。船内は1Fの乗船席部と、ベンチや自動販売機を備えた半屋外デッキ。そしてステップを上がった先に広がる、2F屋上デッキだ。時を経ながら人々に愛され、大切に手入れされ続けてきたことが感じられる船内に、日常のワンシーンから続く特別な旅の始まりを予感する。
さあ、船が出発する。乗船場のスタッフの皆さんが振ってくれる両手に、そよぎ合う風のように手を振り返しながら、水辺の旅がはじまる。

さあ、船が出発する。乗船場のスタッフの皆さんが振ってくれる両手に、そよぎ合う風のように手を振り返しながら、水辺の旅がはじまる。

東京水辺ライン 1F乗船席
ダイナミックな体験‐東京の街と今昔
水辺ラインに乗船しまず驚くことは、東京という都市のダイナミックさと自然との共生だ。雄大なビル群や人々の営みが息づく街並みを、自然の一級河川の中を辿りながら、目の前のパノラマの景色として感じることができる。屋上デッキでは、各ポイントや隅田川にかかる橋の下を通過する際に、その場所の成り立ちや橋の由来に関するアナウンスがある。各エリアの街の由来をつぶさに知ることができ、当時の人々の営みや暮らしを思いながら、今ここにいる自分が交差することを感じる。例えば蔵前付近にかかる『厩橋(うまやばし)』の名称は、このあたり一体のエリアにかつて幕府のお米蔵があり、それを運搬するために馬が沢山飼われていたことに由来するという。都市として発展した今では、想像することが難しいほどだ。

屋上デッキより蔵前橋と東京スカイツリーを臨む
そう、水辺ラインの醍醐味の1つは、隅田川にかかる各橋の通過だ。水位から見て高度が低い橋の下を通過するときは、船員さんが「次の橋は低いので、念のためしゃがんでください」と声をかけてくれる。身をかがめ間近に迫る橋を見上げるという普段にないダイナミックな体験に、思わず歓声があがる。
隅田川の各橋は歴史的にも様々な変遷をたどりながら、現存する建造物として重要文化財に指定されているものも多い。各橋はとにかくユニークで、橋の上をJR総武線が通過する『隅田川橋梁(すみだがわきょうりょう)』、目の前を首都高速が走る『隅田川道路橋(すみだがわどうろきょう)』など、昔から今に続く都市の躍動を感じることができる。見どころはそれだけではない。東京湾に向かう船旅の中で、各水門や、神田川などの各河川との合流ポイントを、水路の視点から知ることも新鮮だ。東京という都市が、いかに水の恵みを生かすように自然と共生し、人々の想いと知恵により、豊かな都として発展していったかというこの街の側面を理解することができる。
さあ、海洋へ

中央大橋に向かう屋上デッキより
船旅が進み、東京湾に近づくにつれ景色がまた変わってくる。数々の浮世絵にも描かれた永代橋に差し掛かると、佃島の高層ビル群が見え、都市と自然のバランスが圧倒的なパノラマとして目の前に広がる。海に近づくこのエリアからは、目にすることが出来る水鳥や、吹く風が運ぶ潮の香り、時おり飛び跳ねる魚、行き交う船の種類、水面の色もまた姿を変えていく。上流で感じた都市の入組みとはまた違う面白さ、海に近づくにつれ、河川も空も広がりを見せる。
日差しと吹く風を肌で感じながら、絶えず変化する水面に浮かぶ船上で、目の前のパノラマの景色を立体的に通過していくうちに、普段の自分がほどけて自由な存在になり、どこまでも行けるような気がしてくる。この身に触れる体験の全てを通して、世界の広がりを感じていく。船旅の醍醐味だ。
今回はメズム東京の所在する『ウォーターズ竹芝』で下船したが、隅田川と東京湾がつながり、お台場方面が開けて目の前に広がる圧巻。これから海洋に出るのだ、という高揚感が今でも忘れられない。船のゆらぎに身を任せ、肌で感じる風と移り変わる景色を楽しんでいるだけで、あっという間の1時間ほどの船旅だった。

屋上デッキより浜離宮恩賜庭園と東京タワーを臨む
東京水辺ラインの魅力と展望
ここで、普段水辺ラインに関わる方へインタビューをさせていただいた。
お客様に感じていただきたい、東京水辺ラインの魅力
— 水辺をめぐり眺めることができる都市の景色もさることながら、『橋の博覧会』ともいわれている、隅田川の橋梁を楽しむことができます。普段見ることができない橋の下を見ることができるのも水上バスならではの体験です。
乗船するにあたり、特におすすめしたい時間帯や季節
— 7月~9 月 の夏頃、最終便で夕陽が出てくるのを眺めながら、夜にかけて変わりゆく空の景色を楽しみながら船旅ができる、お台場~両国間の最終便に乗るのがおすすめです。
特におすすめのスポットや場所
— 両国・浅草二天門~お台場間にご乗船いただくと、水上からの視点で、東京スカイツリー、東京タワー、レインボーブリッジなど、水辺をめぐり東京のランドマークを眺めることができます。
今後どのような存在として、東京水辺ラインは発展していくか
— 実は東京水辺ラインは、何かあった際に防災船として、東京の水辺の災害対策に備える存在でもあります。平常時には引き続き、隅田川等を運航して、多くの方に東京の水辺における船旅を提供していきたいです。あわせて、その周辺となる水辺空間のにぎわい創出を目指しています。

今回の船旅を担当してくださった船員さん
最後に
今回の船旅では日差しさえ美しく、移り変わる景色、肌で感じる風、エンジンの振動や水面の揺らぎと、五感で移動を楽しむ体験となった。また東京という都市の、水辺からの成り立ち、歴史とともにどのように発展してきたかといった、今と昔が交差する豊かな発見がそこにあった。
乗船の目的や船旅のあり方は様々であって、景色を楽しむため屋上デッキに上がるのも、船内の客席スペースで、ドリンクホルダーや収納式のミニテーブルで軽食をとりひと息つきながら、目的地へ向かうのもいい。河川と海、水と人、昔と今をつなぐ“TOKYO WAVES”を、水辺ラインの旅を通して是非体験していただきたい。
今回の船旅では日差しさえ美しく、移り変わる景色、肌で感じる風、エンジンの振動や水面の揺らぎと、五感で移動を楽しむ体験となった。また東京という都市の、水辺からの成り立ち、歴史とともにどのように発展してきたかといった、今と昔が交差する豊かな発見がそこにあった。
乗船の目的や船旅のあり方は様々であって、景色を楽しむため屋上デッキに上がるのも、船内の客席スペースで、ドリンクホルダーや収納式のミニテーブルで軽食をとりひと息つきながら、目的地へ向かうのもいい。河川と海、水と人、昔と今をつなぐ“TOKYO WAVES”を、水辺ラインの旅を通して是非体験していただきたい。
- Information -
施設名:東京水辺ライン
住所:〒130-0015 東京都墨田区横網1-2-13 ヒューリック両国リバーセンター3階
電話番号:03-5608-8869(9:00-17:00 月曜定休日・祝日の場合は翌日)
- Interviewer -
Yuri Tachikawa, Marketing Communications Executive